教科書へのコメント Comments on Textbooks

大学など高等教育で用いられることを想定して書かれた教科書について、誤りと考えられる記述の指摘などをコメントとして掲載します。ここでのコメントは可能なかぎり執筆者または編者に知らせることにします。

率直なコメントは厳しすぎるように見えるかもしれませんが,執筆者との対立をねらっているものではありません。よりよい教育になんらかの形で貢献したいと考えるのみです。コメントするのも時間の無駄と思えるようなものは、そもそもここで扱いません。

執筆者や第三者からのリアクションは,できればご自身のウェブサイトに掲載していただいて、こちらからリンクすることにしたいと思います。場合によっては最後まで見解の相違が残るかもしれませんが、教科書はすでに流通して誰もが読める状態にあるのですから、議論をするのであれば教科書を使う人々にとって有意義なものとなるよう誰の目にも見える場でお願いいたします。

なお、以下のコメントに関する責任は田中克範個人にあります。

齋藤了文、坂下浩司編『はじめての工学倫理』第2版(昭和堂、2005)、168-169頁の傍注8

誤りの範囲と内容

教科書の中で、

その例としてはEMACSの作者で有名なプログラマー、リチャード・ストールマンの提唱する「コピーレフト」の原則がある。

とされているが、Richard Stallmanをこの文脈において例にあげるのは不適切であり、コピーレフトは「違法コピー」を助長するものではない。

推定される誤りの原因

執筆者によるコピーレフトへの理解が十分でないと考えられる。

教科書使用上の注意

フリーソフトウェアの思想について再確認する必要がある。また、ソフトウェアにかぎらず「すべての情報」という意味で、Lawrence Lessigらのクリエイティブコモンズについても把握しておく必要があると思われる。

教科書の本文中にある「もう一方の極端」は、実際に「違法コピー」を流通させている者であろう。

なお、コピーレフトはソフトウェアを配布する際に、配布を受ける側にソースコードへのアクセスを保障することを義務づけるなど条件が厳格であり、それゆえオープンソースを支持する人々から「ビジネスの世界で非現実的」との批判を受けてきたが、教科書の本文中に「現実性を欠いている」と書かれていることとは意味合いが異なる。

関連文献

Andrew M. Laurent and Andrew M. St. Laurent, Understanding Open Source And Free Software Licensing, Oreilly (2004).

対応

自ら担当している授業においては具体的に説明しておく。執筆者に連絡。 (April 30, 2006)

追記:執筆者より返信。指摘のとおり、次の版が出ることがあれば修正を検討したい旨。ありがとうございます。(May 8, 2006)


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Last-modified: 2012-08-31 (金) 23:35:17 (1758d)