このブログを置いているサイトのドメインネーム dendrocacalia.org あるいは common.dendrocacalia.org というのはどういう意味なのか質問を受けることがあるので、ここに書いておきたい。

Kobo Abe, Beyond the Curve

Dendrocacalia というのはキク科ワダンノキ属の樹木、ワダンノキ (Dendrocacalia crepidifolia) に由来する。小笠原固有の植物であるが、東京の夢の島熱帯植物館で栽培されているものを見ることができる。絶滅危惧種の指定も受けている。

この植物を取り上げた安部公房の短編小説がある。高校生の頃に、新潮文庫の水中都市・デンドロカカリヤに収められたものを読み、登場人物の「コモン君」とともに、拝借したドメイン名である。なお、この小説の Juliet Winters Carpenter による英訳が、短編集 Beyond the Curve に収められ、講談社インターナショナルから1991年に出版されている。

小説「デンドロカカリヤ」はこの2009年春に完結した安部公房全集の、 第2巻と第3巻に収録されている。なぜふたつの巻に収められているのかといえば、雑誌『表現』版(1949年4月20日)と書肆ユリイカ版(1952年 12月31日)という異なる版が存在するためである。詳細な議論はこのエントリでは不要と考えるが、当時の安部公房がワダンノキを実際に見たのかどうかと いうことは少し気になる。どのようにしてこの植物の存在を知ったのか、今のところよくわからない。

安部公房の娘で医師のねりさんに無断で dendrocacalia.org というドメインを取得してしまったが、当時は連絡をとる術を知らず、高校生以来の愛読者として安部公房の名誉を傷つけることはしないということでお許しいただきたいと思う。

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